良くある相続トラブル4選!
良くある相続トラブル4選!
①前妻との間に子供がいる
〈問題点〉
例えば今まで一切面識のなかった前妻との子がいた場合、その方と今まで一切関りがなくとも相続では関わらざるを得ません。
前妻も新しい家庭を持つなどしていれば財産をめぐってスムーズな話し合いができない場合があります。
〈予防策〉
・遺言(遺留分に注意)
遺言書を書けば原則はその内容通りの相続が行われます。
均等に分けたい場合はその様に遺言書に書けばよいわけです。
前妻との子に財産を残さない内容の遺言も書けますが、その場合、前妻との子は遺留分侵害額請求をする事が出来ます。
・生前贈与
生きているうちに財産をあげてしまえば、もう自分の財産ではないので相続財産として扱われません。
なので生きているうちに財産をあげてしまうというのも一つの手です。
しかし、特別受益とみなされてしまうと、一度あげた財産も相続財産の一部として計算されてしまう事になります。
特別受益とみなされるかどうかの判断は難しいので生前贈与を考える場合は専門家に相談するのがお勧めです。
・生命保険
生命保険は相続財産とみなされません(金額による)。
財産を遺したい人を受取人にすることで、任意に財産を遺すことが出来ます。
②相続する財産が不動産だけ
〈問題点〉
不動産は現金のように簡単に分けることが出来ません。
なので相続人が複数いる場合分けるのが難しい場合があります。
また相続税が発生する場合、相続人に現金がなく支払いができない事態になる場合もあります。
〈予防策・対応策〉
・遺言(遺留分に注意)
遺言で一人が不動産を丸ごと受け取るように指定すればその人が財産を引き継ぐ事になります。
しかし他の相続人には遺留分侵害額請求権がありますので注意が必要です。
・生命保険⇒相続資金になる、相続税を節税できる
生命保険を遺しておけば、家を分ける時の資金にも相続税を支払う資金にもなりますし、相続税の軽減にもなります。
・不動産を売却し、現金に換価してから分割する
不動産を売却して現金化してしまえば分けるのも簡単です。
相続人の中に1人でも売却に反対する方がいると争いになる可能性があります。
③子供がいない
〈問題点〉
子供のいない夫婦の夫が亡くなったとすると、相続人は『妻』と『夫の兄弟』となり、『妻』と『夫の親族』で争いになってしまう場合があります。
夫の兄弟がすでに他界している場合はその子供(甥姪)が相続人になるので、さらに争いになる可能性があります。
〈予防策〉
・遺言◎
兄弟姉妹に遺留分はないので遺言を残す事で解決できます。
④相続登記をしていない
〈問題点〉
不動産の名義変更をせず放っておくと相続人の子と妻が相続人に、さらに放っておくとその子の子(孫)と妻も相続人に・・・と、どんどん増えて相続人が100人!なんてことも…。
手続きには相続人全員が合意する必要があるので大変!
署名と捺印を集めるだけでも何年かかる事やら・・・。
〈予防策〉
不動産の名義人が亡くなった都度、相続登記ををするようにしましょう
この記事を担当した専門家
司法書士法人C-first
司法書士
江邉 慶子
- 保有資格
司法書士 相続アドバイザー 2級FP技能士 行政書士 宅建士
- 専門分野
相続 遺言 生前対策 家族信託
- 経歴
大学卒業後、不動産会社に勤務。自身の祖父の相続経験から「相続争いになる人を減らしたい」という想いがあり司法書士試験にチャレンジし、合格。平成27年7月から「司法書士法人C-first」に入所。入所時から相続を担当し、相談件数400件以上。セミナー講師も務め、生前対策の大切さを伝える。