お盆なら話し合える?事前に相談する事で防げる相続トラブル5選
今月の豆知識
お盆はお墓参りや帰省で久しぶりに親兄弟や親戚の元気な様子が伺える特別な日です。
先祖と関わる事で「家系」というものへの意識が高まる日でもあります。
お盆であれば普段はしない相続の話も切り出しやすいのではないでしょうか。
今回は相続トラブルの中でも事前に相談しておくことで回避できた状況を5つご紹介いたします。
今回ご紹介するトラブルの多くは、相続が始まってから「知らなかった」「聞いていなかった」「思っていたのと違う」という事が原因で起こるトラブルが殆どです。
なので生きているうちから相続人としっかりとコミュニケーションを取り財産の有無や相続人や家系について話し合っておくことは何よりも効果のある相続対策だと言えます。
この機会にしっかりとコミュニケーションを!
トラブル1 予期せぬ相続人が発覚!
相続人が自分たちだけだと思っていたら全く知らない人が相続人として発覚したという事はよくあります。
例えば
・前妻前夫との子
・養子縁組していた
・幼い時に離れ離れになった兄弟
等です
どんなに疎遠だったとしても相続人なので当然相続財産を受け取る権利があります。
トラブル2 相続不動産の代金を他の相続人に支払う資金が足りない!
相続財産の不動産の割合が高いと分けるのが難しい場合がります。
例えば父所有の実家に長男と同居していたとします。
父が亡くなると実家は相続不動産なので相続人で分けなくてはなりません。
長男が住み続けるために家を全て相続するのであれば他の相続人には取り分に応じた金額を請求する権利があります。
トラブル3 相続財産が思っていたより少ない!
調査した相続財産が思っていた金額より少ない時にもトラブルが起こりがちです。
他の相続人が財産を使い込んだり隠したりしているのではないかと疑ってそのまま不仲になってしまう事もあります。
財産を管理している人が、故人の生前に日常生活に必要な費用を故人の財産の中から支払っていただけだとしても使い込みだと勘違いされてしまう場合もあります。
トラブル4 生前に介護をしていた!
相続人の誰かが故人の生前に介護をするなどして貢献した場合におこる可能性のあるトラブルです。
故人が生前に対策しない限り、相続人の財産の取り分は故人との関わり方や親密さは関係ありません。
しかし生前に介護に従事していた相続人からすれば納得できない事もあります。
「寄与分」という故人の財産の維持や増加に貢献した相続人の取り分を増額できる法律はあるのですが介護や身の回りの世話では認められづらく、寄与分を主張する事がトラブルの原因になってしまう事もあります。
トラブル5 相続の考え方が違う
相続人の中に相続に関する価値観が違う人がいる場合です。
「主要な財産は長男が相続する」と考える人と「法律で決まった分け方をする」という人とで揉める事があります。
~遺言を活用して相続トラブルを防止~
1.相続人全員で話し合って遺言の内容を考えたケース
Aさんは「絶対に揉めない遺言書を作りたい」とご相談に来られました。
自分が他界したあと息子たちには揉めて欲しくないという強い想いがありました。
そしてそれは息子さん方も同じ気持ちだったのです。
揉めない遺言書とは相続人全員がすでに納得している遺言書に他なりません。
全員が納得できる遺言書の作成のお手伝いをさせて頂いた事例です。
2.付言事項で気持ちを伝えてリスクに備えたケース
Aさんは姪に財産を相続させたいという想いがありました。
しかし子供のいないAさんの相続人は兄弟と甥姪が複数人、その内の一人である姪に全財産を相続させるという状況は私の経験上、相続争いになるリスクをはらんでいます。
争いのリスクを減らすため、ただ単に遺言書を作るのではなくちょっとした内容を工夫を凝らしました。
さて今回、どのような対策を行ったのでしょうか。
この記事を担当した専門家
司法書士法人C-first
行政書士
丸谷春稀
- 保有資格
行政書士
- 専門分野
相続 遺言 家族信託 成年後見
- 経歴
立命館大学経営学部を卒業後、令和3年度行政書士試験に合格。翌年7月行政書士登録。家では年の離れた妹の面倒を見るイクメンの兄。