相続人が認知症!その場合の手続きはどうなる?
司法書士法人C-firstの司法書士 山内浩でございます。
今回は「相続人に認知症の方がいる」場合の相続手続きについてお話いたします。
認知症の方は正しい判断能力(意思能力)が無いとされ、遺言書がない場合に遺産分割協議をすることができず、相続手続きが滞ってしまいます。
この場合、親族等が認知症の相続人のために、家庭裁判所で後見人候補者を指定して成年後見人選任を申立てます。
そして選任された成年後見人と他の相続人間での協議を行う必要があり、そこで協議が整えば、不動産名義変更・預金の解約などが可能となります。
しかし、注意しなければならない点もあります。
まず、後見人は家庭裁判所には遺産分割協議書案を提出しなければならず、被後見人(認知症の相続人)の法定相続分を確保した協議内容になっていなければなりません。
したがって「被後見人以外の相続人が、被相続人の財産を全て相続する」といった内容等の遺産分割協議等はできなくなります。
また、後見人選任には3ヶ月以上の手続き期間が必要となり、更に専門職後見人(司法書士・弁護士等)が就任する可能性も70%程あり、その場合月2万円から6万円前後の後見人の報酬が発生します。
さらにこの相続手続きが完了しても後見人は辞任することはできず。
被後見人が死亡するまで後見人を続けなければいけません。
専門職後見人が就任した場合は、その報酬を被後見人が亡くなるまで払い続けなければなりません。
この様に相続人に認知症の方がいる場合、手続きが面倒なだけでは無く、費用も余計にかかってしまうかもしれません。そうなる前に、生前の相続対策が大変重要です。
ご高齢者の生前・相続対策のお悩みについてのご相談はぜひ、司法書士法人C-firstにお問い合わせください。
この記事を担当した専門家
司法書士法人C-first
代表社員
山内 浩
- 保有資格
代表社員司法書士 家族信託専門士
- 専門分野
家族信託 相続 遺言 生前対策
- 経歴
司法書士法人C-firstの代表を務める。平成6年4月に貝塚市にて開業、平成25年4月には合併を経て事務所名をC-firstに改名。高齢者の生前対策について新しい財産管理承継ツールである家族信託などを活用して、高齢者の生前対策に最適なプランを提供する。