土地活用のチャンス!譲渡所得税を控除する特例措置を紹介。
今回は、「低未利用地の適正な利用・管理を促進するための特例措置」についてご紹介いたします。
近年人口減少が進むにつれて、土地利用の担い手が減少し、利用ニーズが低下した土地が増加しています。その結果、地方部や大都市圏の郊外において、全国的に空き家・空き地が増加しています。こうした空き家・空き地は、環境面・衛生面において周囲に悪影響を及ぼし、所有者不明土地の発生にもつながるおそれがあります。そこで、新たに土地を利用したいと希望する者への土地の譲渡を促進し、適正な利用・管理の確保と、さらなる所有者不明土地の発生を予防するために、個人が保有する低額な土地等を譲渡した場合に譲渡所得を控除する特例措置が創設されました。
具体的には、譲渡価格が500万円以下で都市計画区域内にある一定の低未利用土地等を個人が譲渡した場合に、課税対象部分の長期譲渡所得から100万円を控除するという制度です。
この特例措置を適用するためには、主に下記の要件を満たす必要があります。
① 譲渡した者が個人であること
② 低未利用土地等(※)であることについて、市区町村長の確認がされたものの譲渡であること
※都市計画区域内にある低未利用土地(居住の用、業務の用その他の用途に供されておらず、又はその利用の程度がその周辺の地域における同一の用途もしくはこれに類する用途に供されている土地の利用の程度に比し著しく劣っていると認められる土地)又は当該低未利用土地の上に存する権利
③ 譲渡後に買主が利用の意向を有することについて、市区町村長の確認がされたものの譲渡であること
④ 譲渡の年の1月1日において所有期間が5年を超えるものの譲渡であること
⑤ 土地とその上物の譲渡価額の合計が500万円以下であること
なお、適用期間は改正土地基本法の施行日(令和2年7月10日現在、未施行)から令和4年12月31日までとなります。
この記事を読んで、今後利用する予定のない田舎の土地や、亡くなった親名義のまま放置している故郷の空き家について見直すきっかけとなれば幸いです。そして、ご売却・ご購入に当たって登記について何かお困りのことがあれば、司法書士法人C-firstがお手伝いさせていただきます。
この記事を担当した専門家
司法書士法人C-first
代表社員
山内 浩
- 保有資格
代表社員司法書士 家族信託専門士
- 専門分野
家族信託 相続 遺言 生前対策
- 経歴
司法書士法人C-firstの代表を務める。平成6年4月に貝塚市にて開業、平成25年4月には合併を経て事務所名をC-firstに改名。高齢者の生前対策について新しい財産管理承継ツールである家族信託などを活用して、高齢者の生前対策に最適なプランを提供する。