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海外在住の方のサイン証明を日本で手早く取得したケース

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登場人物

被相続人

 相続人

Aさん(相談者)

Bさん()

Cさん()

 

相談内容

「夫が亡くなった。相続人の一人がカナダに住んでいる」とAさんとCさんが相談に来られました。

 

相続人は、妻であるAさんと子供のBさん、Cさんの3人です。

Bさんは結婚してカナダに住んでおり、住所はカナダですが、国籍は日本のままです。

 

今回の相続手続きでは、遺産分割協議書が必要ですがこれには実印を押印する必要があり、その証明として印鑑証明書が求められます。

 

しかし、日本に住所がないBさんは実印登録ができず、印鑑証明書も取得できません。このような場合、サイン証明書を取得する必要があります。

サイン証明書とは、海外に住む日本国籍の方が印鑑証明書の代わりに使用できる書類です。

遺産分割協議書には実印の代わりに直筆サインをし、そのサインが本人のものだと証明するためにサイン証明書が用いられます。

 

サイン証明書を取得するためには、Bさんがカナダの日本領事館に出向き、領事の前でサインをする必要があります。

 

しかし、カナダのような広い国では領事館までの距離が遠く、移動だけでも大変な負担になります。

 

幸いなことに、Aさんが相談に来られた際、Bさんは偶然にも日本に帰国しており、実家に滞在中でした。

日本にいる間であれば、日本の公証役場でサイン証明書を取得することが可能です。

これはカナダに戻ってから領事館に行くよりも、はるかに手間を省ける方法です。

Bさんの滞在は1週間程度ということでしたので、私たちは早急に準備を進めました。

 

日本でサイン証明書を取得するには、証明が必要な書類、パスポート、そして現住所を証明する書類が必要です。

Bさんは幸いにも海外の免許証を持っており、それが住所証明として使えることが確認されました。

 

もしBさんが免許証を持っていなければ、在留証明書が必要となり、それを取得するためにはやはりカナダの日本領事館に出向く必要があったでしょう。

 

解決までの流れ

公証役場でサイン証明書を取得する場合もやはり公証人の目の前でBさん本人が書類にサインをする必要があります。

私たちは、遺産分割協議書を準備し、Bさんには最寄りの公証役場でサイン証明書を取得していただきました。

その後は、通常通りの手続きを進め、相続登記申請書を作成し、遺産分割協議書やサイン証明書、戸籍謄本、固定資産評価証明書などを揃えて管轄の法務局に申請しました。

 まとめ

外国在住の日本国籍の方でも、日本で行える手続きは多くあります。日本に帰国する機会がある際には、相続手続きに必要な書類を事前に確認しておけば、手間を大幅に省くことができます。今回、Bさんが偶然にも帰国しており、さらに住所を証明できる免許証を持っていたことで、手続きは非常にスムーズに進みました。もし免許証がなかった場合は、在留証明書を領事館で取得する必要があったかもしれません。このようなケースでは、事前の準備が大切です。

この記事を担当した専門家

司法書士法人C-first

司法書士

石田 真由

保有資格
司法書士
専門分野
相続 遺言 生前対策
経歴

大学在学中に民法の面白さにはまり司法書士を目指す。司法書士試験合格後は、複数の事務所で司法書士業務全般に携わる。C-firstに入所後は、主に相続や、生前対策分野を担当し、依頼者に貢献できるよう、日々研鑽している。


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