被相続人・相続人全員が韓国籍の場合の相続登記/貝塚市
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家族構成
依頼者:Aさん
被相続人:父
相続人:Aさん・妹2人(母・兄はすでに死亡)
相談内容
知り合いの調査士事務所様からのご紹介で被相続人(亡くなった方)、相続人全員が韓国籍である相続手続きをご依頼いただきました。
解決までの流れ
①韓国民法を確認し、必要書類の収集
相続については被相続人が日本国籍の場合は日本の法律が適用されますが、被相続人が韓国籍の場合は韓国民法が適用されます。
まずは、韓国民法を確認し、必要書類の収集を始めます。
必要書類としては、被相続人の韓国の除籍謄本(出生から)や基本証明書・家族関係証明書等、様々な書類が必要になります。しかし、今回の相続人の方は、ずっと日本に住んでいたため、韓国にはあまり届出関係をしておらず、戸籍の整理が放置されていたために凍結している状態であり、取り寄せに通常よりもかなりの時間を要する、との事でした。
②韓国で相続人の死亡届が出ておらず、追加書類を収集
数ヶ月後ようやく戸籍を入手できましたが、すでに亡くなられている相続人二名につき、韓国の役所へ死亡届が提出されておらず、死亡の事実が記載されていませんでした。
相続登記の手続きには亡くなられている相続人の死亡を証する書面が必要ですが、日本の役所でも除票(除かれた住民票)等の保存期間が満了しており取得できませんでした。役所に問い合わせたところ、死亡届記載事項証明書(死亡届の写し)がその方の死亡に関して現存する唯一の証明書だという事でこの証明書を取得しました。
③上申書作成し、登記申請
上記相続人の死亡が韓国戸籍に記載が無い事に加え、被相続人の最後の住所が分かる証明書も役所での保存期間が満了し、取得が不可能であったために複数の上申書を作成し、登記申請を行いました。
必要な証明書が取得できていない、また事実が記載されていない証明書を添付しての申請であったため、登記手続きができるのか不安もありましたが、無事登記が完了し相続人様名義に変更する事ができました。
大変複雑で手間のかかる手続きであったため、ご依頼者様にも喜んでいただけました。
ポイント
今回のケースのように長年日本にいらっしゃる外国籍の方々の中には、本国に死亡等の届出をせず放置されていたり、戸籍をまったく整理していない方も少なくないと思われます。そのまま放っておくと時間が経つほどにさまざまな手続きがより複雑化し、解決に時間を要したり、もしかすると解決自体が不可能になってしまう恐れもあります。
何か気になる事があれば、当事務所にご相談くださいませ。
この記事を担当した専門家
司法書士法人C-first
司法書士
江邉 慶子
- 保有資格
司法書士 相続アドバイザー 2級FP技能士 行政書士 宅建士
- 専門分野
相続 遺言 生前対策 家族信託
- 経歴
大学卒業後、不動産会社に勤務。自身の祖父の相続経験から「相続争いになる人を減らしたい」という想いがあり司法書士試験にチャレンジし、合格。平成27年7月から「司法書士法人C-first」に入所。入所時から相続を担当し、相談件数400件以上。セミナー講師も務め、生前対策の大切さを伝える。