相続人が認知症のケース/貝塚市
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家族構成
相談内容
先日、相談者の兄が死亡し、借金があるかどうかは不明だが兄が生前付き合っていた友人の素性が悪く何があるか分からないので相続放棄をしたいということで相談に来られました
解決までの流れ
1.相続人が認知症
まず、お兄さんの相続人はお母さんである旨を説明したところ、認知症であり判断能力が著しく低下しているとのことでしたので、お母さんが相続放棄の申立をするには、家庭裁判所で成年後見人を選任したうえでその成年後見人がお母さんを代理してする必要があると説明しました。
2.成年後見人の選任には時間が必要で、手続きだけで3ヶ月を超える恐れがある
しかし、相続放棄は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内(熟慮期間)に家庭裁判所に申立をする必要があります。成年後見人を選任したうえで相続放棄の申立するとこの熟慮期間を超える可能性がありますが、「相続人が成年被後見人である時は、成年後見人が相続の開始があったことを知った時から起算する」(民法917条)ことになっていますので、熟慮期間を超えても問題がないということになります。
ただ、実際、亡くなった兄に本当に借金があるかどうかは不明なのでしばらく様子を見て成年後見人選任及び相続放棄の申立を考えるように説明させて頂きました。
ポイント
認知症になる方はどんどん増えてきています。認知症になると、判断能力が無くなり、法律行為が出来なくなります。相続人に認知症の方がいる場合は、自分たちで判断せず、専門家に相談してください。そして、認知症になっても各種手続きがスムーズにいくように生前対策を考えることも必要です。
この記事を担当した専門家
司法書士法人C-first
代表社員
山内 浩
- 保有資格
代表社員司法書士 家族信託専門士
- 専門分野
家族信託 相続 遺言 生前対策
- 経歴
司法書士法人C-firstの代表を務める。平成6年4月に貝塚市にて開業、平成25年4月には合併を経て事務所名をC-firstに改名。高齢者の生前対策について新しい財産管理承継ツールである家族信託などを活用して、高齢者の生前対策に最適なプランを提供する。