テナントビルを長女に継がせたい―高額不動産の相続税対策を踏まえた「遺言書作成」の成功事例
ご利用サービス
遺言コンサルティングサポート
登場人物
相談者
父
母
相続人
長女
二女
相談内容
相談者(父)と相談者(母)は、テナントビルを所有するご夫婦。
長女と二女の2人の娘さんがいるものの、将来的に父が亡くなった際は、
家業である貸ビル業を長女に継がせたいと考えていました。
ところが、財産の大部分が、評価額1億円を超えるテナントビルとその運営資金に
集中しており、二女に十分な財産を残すことが難しいという問題がありました。
また、テナントビルの評価額が高いため、相続税が高額になる可能性があり、
長女がビルを相続した際に、相続税の支払いのため不動産を売却せざるを得ない事態は
避けたいとの思いがありました。
「家族間では何となく合意が取れているが、いざ相続が発生したときどうなるか
分からない……」という不安も大きく、生前のうちに万全の対策を講じたいと当事務所へ
相談に来られました。
問題点
不動産が財産の大部分を占める
テナントビル(土地・建物)総額が評価額で1億円超。
二女に十分な財産を残すことが難しく、将来の遺産分割協議が円滑に進むか不安。
相続税の負担リスク
高額不動産を長女が相続した場合、相続税の支払いのために不動産を売却しないと
いけない可能性がある。
資金繰りがスムーズにいかず、ビル経営が継続できなくなる恐れ。
遺留分への備え
二女が将来、遺留分を主張するケースも考えられる。
担当からのアドバイス
遺言書の作成でスムーズな相続を実現
•遺言書で相続方法を明示し、長女がテナントビルを継げるようにする。
•遺言書の中で資金準備方法にも配慮し、相続税を確保するための仕組みや
手段を明確に記載する。
相続税シミュレーションと対策
•弊所提携の税理士と協力して、テナントビルの評価額を正確に算出。
•将来の相続税額を具体的にシミュレーションし、どの程度の資金が必要か
把握する。
•資金調達方法(預貯金、生命保険、他の換金性資産)を事前に検討して
おくことで、相続発生後に不動産売却を余儀なくされるリスクを減らす。
生命保険の活用
•二女の遺留分対策として、生命保険を活用する。
•生命保険金の受取人を長女に指定することで、次女から遺留分を請求
された場合に備えることができる。
•長女の相続税納税資金としても生命保険を活用できるため、納税資金を
確保する仕組みづくりが可能。
提案したメニュー:「遺言コンサルティングサポート」
当事務所が提案したのは、遺言コンサルティングサポートです。
単なる遺言書の作成支援にとどまらず、以下のポイントを網羅します。
財産調査・相続税シミュレーション
提携税理士と連携して、テナントビルの評価額を正確に把握。
必要となる相続税の概算を見極める。
遺言書の具体的プランニング
長女へのビル相続を前提とした分割方法。
二女の遺留分確保や納税資金対策など、全体のバランスを考慮した
内容を遺言書で明記。
生命保険の活用提案
二女の遺留分対策、長女の相続税納税対策として生命保険を設計。
死亡保険金の受取人を設定することで円滑な財産分配を可能に。
公正証書遺言の作成支援
公証人との打ち合わせをサポートし、法的に有効な遺言書を整える。
付言事項に相談者(父)の思いを込めることで、相続後の紛争を予防。
解決までの流れ
1.初回面談
ご家族構成・財産内容・希望をヒアリング。問題点を整理し、
遺言コンサルの方向性を提示。
2.財産調査・税理士との連携
テナントビルの評価・預貯金・その他資産を洗い出し、
相続税シミュレーションを実施。
3.遺言書プラン案の作成
長女がビルを相続した場合に必要な納税資金の確保方法を検討。
二女の遺留分に配慮した生命保険の活用案を立案。
4.最終打ち合わせ・公正証書遺言の作成
相続税対策や遺留分対策を最終的に盛り込み、遺言案を完成。
公証役場で公正証書遺言を作成し、将来のトラブルを予防。
まとめ
今回のケースでは、財産の大半がテナントビルという状況下で、相続税対策と
遺留分対策の両立が必要でした。事前の遺言コンサルティングによって、
以下のメリットを得ることができました。
•長女がスムーズにビル経営を継承できる見通しを立てられた。
•相続税シミュレーションにより、ビルを手放さずに済む方法
(納税資金の確保)が具体化できた。
同じ状況の方へ
不動産の評価が高く、財産の大半が不動産に集中している場合には、
相続税の支払原資の確保まで考えて遺言書を作る必要があります。
生前にきちんとシミュレーションすることで、
•相続税を支払うために不動産を手放さなければならないリスクの軽減
•遺留分をめぐる親族間トラブルの予防
が可能となります。
大切な資産を守りつつ、ご家族全員が納得できる形で相続を進めるには、
ぜひ遺言書の作成と遺留分対策をセットでご検討ください。
事前の対策が、将来の円満相続を実現する近道です。
生前のうちから正確な相続税シミュレーションを行い、遺言書で意思を明確にする
――これが高額不動産をお持ちの方が安心して将来を迎えるための秘訣です。
お悩みの際は、ぜひ当事務所へご相談ください。
弊所提携の税理士とタッグを組んで、最適なプランをご提案いたします。
この記事を担当した専門家

司法書士法人C-first
行政書士
鈴木 塁
- 保有資格
行政書士
- 専門分野
相続 遺言 生前対策 家族信託
- 経歴
大学卒業後、東京のホテルに就職し、その後、行政書士法人での勤務を経てc-firstに勤務。元バスケ部でその長身から相続業務をパワフルにこなす。