行方不明の先妻の子との相続問題を解決し、不要不動産と預金をスムーズに分割したケース
ご利用サービス
相続手続き丸ごとサポート
登場人物
被相続人
夫(故人)
相続人
妻(相談者)
長男(同席)
二男
先妻との間の子(行方不明)
相談内容
被相続人である夫が亡くなり、相続人としては妻(相談者)、長男、二男、そして先妻との間の子がいました。
妻と長男が当事務所に相談に来られた際、先妻の子の行方が分からず、連絡が取れないため困っているとのことでした。
さらに、相続財産として「使わない(不要な)不動産1筆」と「預金(銀行1行)」があり、
どのように分ければ良いかアドバイスが欲しいというご要望でした。
相談者の悩み・希望
1. 先妻の子の所在が分からず、相続手続きを進められない
2. 不要な不動産と預金の分割方法を知りたい
相談者は「先妻の子が相続するのか放棄するのか、どのように手続きを進めれば良いのかわからない」
不安に感じていました。
解決までの流れ
1.戸籍調査・住所特定
まずは、相続手続きにおいて欠かせない戸籍調査を実施し、先妻の子の戸籍の移動状況を確認。
転籍の履歴を遡って住所地を突き止め、お手紙(相続のご案内と遺産目録)を郵送しました。
• 相続のご案内:相続が発生した旨、不動産や預金がある旨を記載
• 遺産目録:財産の詳細一覧(不要不動産1筆、預金1行)
▼ポイント
• 先妻の子が相続を「放棄」するのか「受け取る」意向があるのかを確認するために、
回答書を返送してもらうよう依頼しました。
• 行方不明の相続人と連絡を取るには、まず戸籍の取得や住民票の附票の確認が重要となります。
2.相続手続きのシミュレーション
先妻の子の法定相続分を考慮したうえで、「預金+不要不動産」をどう分割するかのシミュレーションを行いました。
• 不要不動産:誰が引き継ぐのか、それとも売却を検討するのか。
• 預金:相続分どおりに分割するのか、話し合いで調整するのか。
▼ポイント
• 相談者の家族(妻と長男・二男)で不動産を引き継ぐ場合、
固定資産税などを負担できるかも検討。
• 先妻の子が不動産を「要らない」と主張してくる可能性が高い場合、
それを踏まえた協議の進め方をアドバイス。
3.回答書の作成・送付
先妻の子へ送る”回答書(案)”を当所で作成しました。
内容としては、
• 相続人としての法定相続分の説明
• 不要不動産と預金があること
• 不要不動産を引き継ぐか否かの意思確認
• もし不要不動産を引き継がない場合、預金のみで相続分を調整できるかの提案
これらをまとめた回答書を先妻の子に送付し、一定期間内に返送してもらうようお願いしました。
4.遺産分割協議・相続手続き丸ごとサポート
最終的な協議内容が決まれば、遺産分割協議書を作成し、相続登記や預金の名義変更・解約手続きを進めます。
当事務所では相続手続き丸ごとサポートをご利用いただくことで、必要書類の作成や役所・法務局への申請代行も含めて一括してお任せいただきました。
• 不動産を誰が相続するか
• 預金をどのように分割するか
• 先妻の子の印鑑証明書の取り寄せや署名捺印 など
これらをすべてスムーズに行うよう、連絡・調整のサポートをいたしました。
まとめ
行方不明の相続人との連絡方法
相続人が行方不明の場合でも、まずは戸籍調査を行い、最新の住所地を突き止めることが重要です。
そこに手紙や回答書を送付し、相続の意思確認を行います。もし、連絡が取れない・応答がない・
受取を拒否されるといった場合は、遺産分割調停など裁判所の手続きを利用せざるを得ないケースもあります。
今回のケースで得られたメリット
1. 相続人全員と連絡を取り、円満な遺産分割を進められた
2. 不要不動産の行方を早めに決められたため、固定資産税などの負担を整理できた
3. 弁護士が必要な事態(裁判手続き)に進む前に、話し合いで解決できる可能性が高まった
同じ状況の方へ
「相続が発生したときに、知らない相続人が突然出てくる…」これは珍しいことではありません。
連絡が取れない相続人がいる場合でも、戸籍調査を入り口にして対応策を検討できます。
お手紙を出して相続の意思確認をする、場合によっては話し合い(遺産分割協議)が難航したときに
調停や審判などの法的手段へ進むことも視野に入れておきましょう。
当事務所では、相続のプロとして「相続手続き丸ごとサポート」を提供しております。
戸籍調査から不動産の名義変更、預金の解約・分配まで一貫してサポートいたしますので、
どうぞお気軽にご相談ください。
この記事を担当した専門家
司法書士法人C-first
司法書士
山﨑 聡
- 保有資格
司法書士 行政書士 土地家屋調査士 宅建
- 専門分野
相続 遺言 生前対策 成年後見
- 経歴
若くして、すでに業界歴11年を超える大ベテラン。相続をはじめ成年後見、遺言などあらゆる手続きに精通する生前対策のスペシャリスト。