不仲な兄弟でも円満に!不動産相続をスムーズに進める「換価分割」の活用術を用いたケース!
1.相談内容
被相続人:夫
相続人:妻・長男・長女
- 長男と長女の仲が悪く、将来の相続争いが心配。
- 相続財産はほとんどが不動産(自宅・土地など)で、預貯金は少ない。
妻のご希望
- 長男と長女に平等に遺産を相続させたい。
- 不動産をめぐって相続人同士で揉めることなく、スムーズに手続きを終わらせたい。
2.相続の課題と背景
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相続財産の多くが不動産
預貯金が少なく、不動産の占める割合が大きいため、分割方法が難航しやすい。 -
長男と長女の不仲
相続人同士の折衝がスムーズに進まず、不動産を現状のまま分割しようとすると対立が激化する恐れがある。 -
不動産の換価が必要
不動産をそのまま共有するのは将来的な管理や処分に困難が生じる。また、共有のままだと相続人同士の関係がさらに悪化するリスクも高い。
3.担当からのアドバイス:換価分割を活用
3-1.換価分割とは?
不動産を売却して得た代金を相続人で分ける方法を「換価分割」といいます。現金化すれば、きれいに平等な分割が可能となり、不動産の共有リスクを回避できます。
3-2.妻名義に一時的に移すメリット
長男と長女が直接不動産の売却手続きを一緒に進めると衝突する可能性があります。そこで、一度妻名義にしてから売却を進め、その後売却代金を長男・長女に平等に分割する方式をご提案しました。
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メリット
- 相続人同士が顔を合わせる機会を減らし、トラブルを回避できる。
- 売却手続きを当事者がスムーズに行える(妻を中心に調整が可能)。
3-3.不動産会社の紹介
売却を進める上で、適切な不動産会社の選定は非常に重要です。当所は信頼できる不動産会社との連携があるため、売却査定から売買契約まで一貫してサポート。相続案件を多数扱ってきた実績のある会社を紹介することで、安心して売却手続きを進めることができます。
4.具体的なサポート内容(相続手続サポート)
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相続人調査・戸籍収集
- 長男・長女それぞれの出生から現在までの戸籍を取り寄せ、相続関係を正確に把握。
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遺産分割協議書の作成
- 「妻名義に不動産を一時的に相続」→「売却後、売却代金を長男・長女へ分配」というシナリオを明記。
- 長男・長女が合意しやすい書式を整え、法律的に不備のない協議書を作成。
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名義変更・相続登記
- 速やかに法務局で妻への名義変更(相続登記)を行い、売却準備を整える。
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不動産売却サポート
- 提携先の不動産会社に査定を依頼。
- 適正価格で売却し、売却益を長男・長女に分配。
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金融機関での相続手続きサポート
- 預貯金が少ないとはいえ、解約や名義変更が必要な場合は書類作成を支援。
5.解決のポイント
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不動産を共有せず現金化
長男・長女の対立を避けるには、共有のまま残す方法はリスクが大きいと判断。換価分割でトラブルリスクを低減。 -
一時的な妻名義化
長男・長女の意見調整を最小限に抑え、妻が売却の主導権を握ることでスムーズに進める。 -
信頼できる専門家との連携
法律面は司法書士が、売却面は不動産会社が、税金面は税理士が連携して対応することで全体の手続きを安全かつ迅速に行う。
6.まとめ & 同じ状況の方へひとこと
相続財産の多くを占める不動産は、現金化が難しいため相続の際にトラブルが発生しやすい財産です。今回のケースのように、換価分割や一時的な名義変更を活用することで、相続人同士の揉め事を回避しながら平等な分配を実現できます。
- 不動産売却後に相続人で売却益を分ける方法
- 生前に不動産を贈与する方法
- 生命保険の活用でスムーズな資金分配を実現する方法
上記のように様々な選択肢がありますので、まずは専門家にご相談ください。相続の手続きから売却・贈与・保険の見直しまで、総合的にサポートいたします。
「長男と長女の仲が悪い」「不動産が多く、預金が少ない」「平等に財産分割したい」とお悩みの方は、ぜひ一度お問い合わせください。私たちが最適な方法を一緒に考え、安心して相続手続きを進められるようお手伝いいたします。
この記事を担当した専門家
司法書士法人C-first
司法書士
江邉 慶子
- 保有資格
司法書士 相続アドバイザー 2級FP技能士 行政書士 宅建士
- 専門分野
相続 遺言 生前対策 家族信託
- 経歴
大学卒業後、不動産会社に勤務。自身の祖父の相続経験から「相続争いになる人を減らしたい」という想いがあり司法書士試験にチャレンジし、合格。平成27年7月から「司法書士法人C-first」に入所。入所時から相続を担当し、相談件数400件以上。セミナー講師も務め、生前対策の大切さを伝える。