税理士とタッグを組んで2ヶ月で相続税申告を間に合わせたケース
ご利用サービス
相続トータルサポート
登場人物
被相続人
Aさんの父
相続人
Aさん
Aさんの母
Aさんの弟
その他
大急ぎの税理士
大急ぎの司法書士
相談内容
「税務署から封筒が届いた。相続税を申告しないといけないと思っていたが忙しくてほったらかしにしていた。」とAさんがご相談に来られました。
Aさんはお父様がお亡くなりになり、相続人はAさんと母と弟の3人です。
相続財産には銀行口座と不動産が多数ありました。
「遺産分割ってのは早くしないといけないのかなぁ。去年亡くなったのだけれど相続手続きには全く手つかずで・・・」と不安そうにお話くださいました。
Aさんが受け取った税務署からの封筒というのは「相続税についてのお知らせ」という書類で相続の開始後、半年ほどすると税務署から送られてくるものです。
そこには「相続財産の額によっては相続税がかかるよ。亡くなってから10ヵ月以内に申請してね。方法はHPとかに書いてるので調べてみてね。」というような事が書いてあります。
大抵の場合はこの封筒を受け取った時点で期限まで残り3ヶ月~4ヶ月程度。
Aさんはそれからしばらく放っておいたとの事で、相続税申告まで残り時間は2ヶ月を切っていました。
これでは期限に間に合わないかもしれません・・・。
相続税申告に時間がかかる理由
相続税申告に時間がかかる理由の一つに書類集めの煩雑さがあります。
相続税申告に必要な書類は大きく分けて3つあります。
・相続人である事を証明する書類
戸籍や戸籍の附票などです。
今回のケースであれば相続関係が複雑ではない為、集めるのはそう難しくないかと思われます。
・財産の分け方を決めて全員が合意した証明
遺産分割協議書などです。
相続人全員で相続財産の分け方について話し合い、合意が必要です。今回のケースだと分け方は決まっていたので、揉める事もなくスムーズにハンコが貰える状況でしたので時間はかからないと思われますが、遺産分割協議書の作成が必要です。
・財産の価格を証明する書類
評価証明書や名寄帳などの不動産の書類、残高証明書などの預金に関する書類などがあります。
今回のケースでは一番時間がかかると思われるのはこの部分です。
今回の相続財産には複数の銀行口座があり、その全てで残高証明と、過去5年分の履歴の取得をする必要があるのですが、この手続きは郵送もしくは平日の銀行の空いている時間にしかできない上に銀行ごとに書類の内容も代わり、ミスがあれば書き直してやり直さなければなりません。
2ヶ月以内にこれらの書類全てを集めて税金の計算をして申請書を作るのは難しいと言わざるを得ません。
準確定申告
さらに準確定申告の手続きも必要である事がわかりました。
準確定申告とは、生前に収入があった方が亡くなった場合、本来本人が行うはずの確定申告を、相続人が本人に代わって行う事です。
この期限は相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月なので、すでに過ぎてしまっています。
そのことによって今から手続きをしても加算税や延滞税を上乗せして支払う可能性があります。
二つの士業
今回のケースは不動産の手続きと税申告の手続きの両方が必要ですので司法書士と税理士どちらも必要です。
シーファーストでは税理士と共に手続きを行なう「相続トータルサポート」を取り扱っています。これは不動産の名義変更+財産調査(相続税申告に必要な残高証明書等をすべて取得します。)+相続税の申告がセットになっており今回にうってつけのプランです。
以上の事からAさんには以下の事をお伝えしました。
・相続税申告の期限は二カ月弱で今からでは私達がお受けしても間に合わない可能性があり、その場合延滞税があること。
・準確定申告が必要で、すでに4ヶ月の期限を過ぎているためこちらも延滞税が上乗せされるかもしれないこと。
・税理士と司法書士タッグを組んで手続きを行なう「相続トータルサポート」のプランがオススメなこと。
これを聞いたAさんは「自分は働いており、時間が無いので、お任せしたい」との事でリスクを承知した上で快諾してくだいましたので、早速手続きに取り掛かりました。
解決までの流れ
普段通りであれば以下の流れになります。
① 相続人調査(戸籍謄本等取得)
② 財産調査(不動産関連の書類取得・残高証明取得等)
③ 遺産分割協議(書類作成)
④ 銀行口座の解約手続き+不動産の登記手続き
⑤ 相続税申告ただ、今回は相続税申告期限の事があるので④⑤を逆にして、相続税申告を先に行う事になりました。
まずは、税理士さんと協力して相続税申告に必要な書類をとにかく急いで全て集めました。
幸いにも予想通り、相続人調査はすぐに終わりました。
次に財産調査ですが、銀行口座の数が多く残高証明などの財産を証明する書類の準備には少々時間がかかりましたが、今回は窓口に行ける銀行は窓口に行って手続きをすることで時間短縮をしました
並行していた不動産調査では、未登記建物や建物が無いのに登記が残っているものもありましたが、無事完了し、税理士さんに調査結果の書類をすべてお渡ししました。次は税理士さんの方で、不動産の路線価格の確認や入出金履歴の確認をされます。その結果をお客様にお伝えし、遺産分割協議書を作成、相続人皆さまに署名捺印をしていただきます。
その結果、なんとか無事に相続税申告が間に合いました!
Aさんにもお伝えし、みんなで大喜びしました。
その後、私どもで不動産の名義変更をさせていただきました。なんとかスムーズに行なう事ができ、完了の書類と口座解約に関わる全ての書類をAさんにお渡しし今回の相続を完了したのでした。
まとめ
相続税申告まで期限が迫っており、期限内にきちんとしたものを提出するのであれば、相続専門事務所にお願いするしかないかと思います。
仮に平日に時間があり、自分で手続きをしようとしても、時間が無ければ、効率良く手続きを進める必要があり、手続きに慣れていない方がされるのは難しいと思います。さらに早くするだけではなく、正確に提出する必要もあります。
期限が迫っているからと諦めずに専門家に連絡してください。
事情がわかれば、その案件の優先順位を上げて、本来郵送ですべきところを来店し、銀行の方にも事情を伝えて手続きを急いでもらう事もできます。
この記事を担当した専門家
司法書士法人C-first
司法書士
江邉 慶子
- 保有資格
司法書士 相続アドバイザー 2級FP技能士 行政書士 宅建士
- 専門分野
相続 遺言 生前対策 家族信託
- 経歴
大学卒業後、不動産会社に勤務。自身の祖父の相続経験から「相続争いになる人を減らしたい」という想いがあり司法書士試験にチャレンジし、合格。平成27年7月から「司法書士法人C-first」に入所。入所時から相続を担当し、相談件数400件以上。セミナー講師も務め、生前対策の大切さを伝える。