相続人が認知症!後見申立てをしたケース
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登場人物
相談者
Aさん
相続人
Aさん
Cさん
後見人
シーファースト
相談内容
「相続が発生して手続きを進めていると後見人が必要だとわかった」とAさんが相談に来られました。
Aさんは夫であるBさんを亡くし、財産を相続する事になりました。
相続人はAさんとBさんの妹であるCさんの2人です。
ご夫妻には子供がおらず、またBさんの両親はすでに他界されていたためBさんの兄弟であるCさんが相続人となります。
AさんはCさんと協力して相続手続きを進めたいのですが一つ問題がありました。
Cさんは認知症を患っていました。
認知症になると後見人を選ばなければは相続手続きを進める事ができません。
と言うのも、認知症になり判断能力が喪失すると法律行為の一部が出来なり、相続手続きに必要な遺産分割協議が出来ません。
遺産分割協議するためには誰かがCさんの後見人となりCさんの代わりに後見人が遺産分割協議に参加することになります。
それを知ったAさんは後見人の事を聞くために家庭裁判所に行ったのですが、話が難しくてわからなかったとの事でシーファーストに相談に来ていただいたという流れでした。
詳しく話を伺うと、妹さんの身の回りのことは今までBさんが行なっていましたが、Bさんが亡くなったため今後妹さんの身の回りのことをできる人がいないという状況でした。
Aさんとしてはこれを機にCさんの後見人の手続きを進めたい考えでした。
このご要望を聞いてご提案したのは、後見の手続きの代行だけでなく司法書士法人であるシーファーストがCさんの後見人として就任するという方法です。
法人が後見人になるメリット
法人が後見人に就任するメリットは例えば以下のような事があります。
・複数人で協力して後見業務をする事ができる
成年後見業務のプロ集団である司法書士法人がチームで業務に当たる事ができる。
・あらゆる業務に対応できる
複数人で業務に当たるため1人に負担が集中することがなくあらゆる業務に対応することができます。
・後見人死亡する事がない
個人が後見人になると、先に死亡してしまうリスクがありますが法人だと寿命や交通事故などで先に死亡して後見が終了するという事がありません。
これらの事をご説明したところ快諾頂けたので早速手続きに入りました。
解決までの流れ
後見の申立ては準備しなければならない書類が多くかなり大変です。
裁判所のHPからダウンロードできる手引きには以下の書類が必要だと書かれています。
この全てを準備する必要があります。
https://www.courts.go.jp/yamagata/saiban/syosiki/l4/Vcms4_00000141.html
これだけの書類を集めて一つに綴るので、全部集めると一般的な書籍一冊分ぐらいの厚さになる事もあります。
この中でAさん自身に用意して頂かなくてはならない資料もあるのでお伝えして、それ以外については全て当法人で代行して取得します。
まず初めに当法人からCさんの施設に連絡をし、お医者様の診断書の準備をお願いしました。
実は申立てには3つの類型があります。
「成年後見」、「保佐」、「補助」です。
認知症の程度でこの3つのうちのどれを申立てるかが変わってきますのでまずは診断書を取得し、それを元に類型を判断します。
診断書を見ると「後見相当」である事がわかり、当初の予定通り後見の申立てを進めました。
Aさんと打ち合わせをしながら妹さんの財産状況を調べる為、施設に行って通帳のコピーをとるなどして財産目録などの書類作成を作成し、また戸籍などの書類を各役場で取り寄せました。
書類が完成した事をAさんに伝えて控えをお渡しし裁判所に提出し無事に私どもを後見人に選任して頂く事ができました。
後見人になれば次は相続手続きです。
当法人がCさんに代わってAさんと一緒に遺産分割協議書を作成しました。
その書類を元にBさんの相続財産の手続きを進め、無事に相続手続きを終える事ができたのでした。
まとめ
今回は相続手続きの前段階に後見人の申立てが必要なケースでした。
誰が後見人として選ばれるかは、家庭裁判所が最終判断をします。
今回は運よく候補者が認められ、シーファーストが無事後見人になる事ができたのでその後の相続手続きもスムーズに進めることができました。
法人が後見人になると亡くなる事はなく横領のリスクも減るので安心して頂ける面が多いです。
後見申立ては書類が大量に必要で、ご本人自身への負担も多いので専門家に依頼して頂ければと思います。
この記事を担当した専門家
司法書士法人C-first
司法書士
江邉 慶子
- 保有資格
司法書士 相続アドバイザー 2級FP技能士 行政書士 宅建士
- 専門分野
相続 遺言 生前対策 家族信託
- 経歴
大学卒業後、不動産会社に勤務。自身の祖父の相続経験から「相続争いになる人を減らしたい」という想いがあり司法書士試験にチャレンジし、合格。平成27年7月から「司法書士法人C-first」に入所。入所時から相続を担当し、相談件数400件以上。セミナー講師も務め、生前対策の大切さを伝える。