一人だと思っていた相続人が実は15人いたケース
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相続手続き丸ごとサポート
登場人物
被相続人
Dさん
相談者
Aさん
Aさんの息子
相続人
Aさん
Bさんの子孫
Cさんの子孫
相談内容
「自分で戸籍を集めていたら知らない人が出て来た」とAさんの息子さんが相談にこられました。
相続人であるAさんは相続財産である預金の解約のために戸籍集めを息子さんにお願いしていました。
亡くなったのはDさんでAさんの母に当たる方です。
金融機関に戸籍を持って相談に行った所、Aさんも息子さんも全く心当たりのない2名の人物BさんとCさんの記載があったのです。
Aさんは自分の親戚にあたる人物が2人もいた事にとても驚きました。
またBさんCさんは相続人に当たるので相続手続きは予定と大きく変わってきます。
集めなければならない戸籍も増えますし、お二人と連絡を取って遺産分割協議をする必要もあります。
そういう経緯があり当法人へご相談に来て下さったのでした。
解決までの流れ
依頼をお受けして戸籍を追っていくとBさんCさんは共に幼少期にAさんの母が養子に取っていた方だとわかりました。
そしてお二人とも現在は亡くなっていましたがお子様が何人かいらっしゃいました。
そうなるとこの方々も相続人となります。
そしてそのお子様達が亡くなっている場合は、その孫に当たる方々も相続人となります。
そして、BさんCさんの相続人達を辿っていくとそのお子様達とお孫様達を合わせると14名になりました。
最初はAさん一人が相続人だと思っていた相続手続きは全部で15名もの相続人になってしまったのでした。
つまりこの14名全員に連絡を取って遺産分割の方法を協議してハンコを貰わなくてはなりません。
まずは全員に郵送で連絡を取ります。
この時の反応は実は財産の種類によって大きく変わります。
例えば不動産が主な財産ですと手続きが煩雑で面倒なため相続放棄する方も多くなるのですが、金融資産だけだとお金を貰えるということで、手続きも複雑ではないので、受け取りたいという意思表示をされる方も多いというのが一般的です。
今回は銀行の預金が相続財産ですので受け取り方が多いかと思われたのですが、意外な事に相続放棄をする方が約半数おられました。
放棄を選択したBさんCさんのお孫さんの中には「おばあちゃんは知っているけどひぃおばあちゃんは知らない」との事で全く知らない人の財産を受け取る事に抵抗があるという方が多くいらっしゃいました。
しかし残りの半分はこのコロナ禍で収入が減っている事もあり受け取りたいという方もいらっしゃいました。
相続する方と相続放棄する方が約半数になったものの14名の中には全く返事がない方も何人かいらっしゃったのですが今回は幸運な事にその大半がAさんの比較的近所にお住まいでしたのでAさんの息子さん家族から何度か直接家に伺って頂き無事に相続人全員と連絡を取る事が出来たのでした。
その後は書類集めもスムーズに進み、預金の解約は無事に済み全員の口座に配分して今回の手続きを完了しました。
ポイント
今回は一人だと思っていた相続人が15人にも増えてしまった事例でした。
事情が分かっていれば遺言書などで事前の対策できるのですが、養子縁組の兄弟について知らなかったため事前の対策は非常に難しいケースだったと思います。
しかし、ほぼ面識のない15人の相続人という難しい手続きでしたがその殆どが依頼者の近くに住んでいたこと、依頼者様ご自身も単に依頼して完了を待つだけという姿勢ではなく、積極的にご自身でできる部分はやっていただいたこともあり、無事に最後まで手続きを終えることができました。
依頼者自身とは全く面識はない相続人の方々であったとしても、相続人の兄弟とは何らかの面識があるなど少しでも繋がりがある状況だった場合は、そこに専門家のサポートを少しプラスすれば何とかなる場合があるという良い例でしょうか。
この記事を担当した専門家
司法書士法人C-first
司法書士
山﨑 聡
- 保有資格
司法書士 行政書士 土地家屋調査士 宅建
- 専門分野
相続 遺言 生前対策 成年後見
- 経歴
若くして、すでに業界歴11年を超える大ベテラン。相続をはじめ成年後見、遺言などあらゆる手続きに精通する生前対策のスペシャリスト。