株式の名義変更
相続人が相続する財産のなかに株式がある場合には、不動産の名義変更と同じように、名義を変更する必要があります。
株式の名義変更は、被相続人名義の株式が上場している株式か非上場の株式かによって手続きが異なります。
上場株式の名義変更の手続き
上場している株式は、証券取引所を通じて取引されていますので、証券会社が介入しています。
ですから、証券会社と相続する株式を発行している株式会社の両方で手続をすることになります。
(1)証券会社との手続
証券会社は顧客ごとに取引口座というものを開設していますので、取引口座の名義変更手続きを行うことになります。
その際必要となる書類には、以下のようなものがあります。
・株式名義書換請求書
・取引口座引き継ぎの念書(証券会社所定の用紙)
・相続人全員の同意書(証券会社所定の用紙)
・相続人全員の印鑑証明書
・被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで連続するもの)
・相続人の戸籍謄本
・遺産分割協議書
これらの書類を証券会社に提出すれば、上場株式の名義変更は完了されます。
(2)株式を発行している株式会社との手続
株式を発行した株式会社の株主名簿の名義変更手続きをすることになります。
通常、この手続きに関しては取引のある証券会社が代行して手配してくれます。
その際、相続人は「相続人全員の同意書」(名義書換を代行している信託銀行所定の用紙)を用意します。
非上場株式の名義変更手続き
非上場会社の株式の名義変更はそれぞれ会社によって行う手続きが異なりますので、発行した株式会社に直接問い合わせるのが確実です。
この記事を担当した専門家
司法書士法人C-first
代表社員
山内 浩
- 保有資格
代表社員司法書士 家族信託専門士
- 専門分野
家族信託 相続 遺言 生前対策
- 経歴
司法書士法人C-firstの代表を務める。平成6年4月に貝塚市にて開業、平成25年4月には合併を経て事務所名をC-firstに改名。高齢者の生前対策について新しい財産管理承継ツールである家族信託などを活用して、高齢者の生前対策に最適なプランを提供する。