遺産分割協議書の作り方
取返しのつかない遺産分割協議書
遺産分割協議書は相続人全員が、1人ずつ署名、実印を押すことで成立します。
通常、遺産分割協議書に署名・押印をする場合は、その遺産分割の内容に納得した上で、行うことになりますが、「遺産分割を早く終えたい」「署名を求められたので、慌てて署名してしまった」など、自分が納得しないまま、遺産分割を進めてしまう方もいらっしゃいます。
しかし、遺産分割協議書に実印を押し、署名をしてしまった場合、それを取り消すことは、極めて困難です。
そのためにも遺産分割協議書の作り方と遺産分割協議書を作る際の注意点を知っておきましょう。
また、わからないことやご自身に当てはまるかわからないことがあれば、相続に強い専門家に相談することをおすすめいたします。
遺産分割協議書の作り方
遺産分割協議がまとまったら、遺産分割協議書にその内容を記載します。遺産分割協議書の作り方のポイントを押さえておきましょう。
遺産分割協議がまとまったら、遺産分割協議書にその内容を記載します。
遺産分割協議書の作り方のポイントを押さえておきましょう。
遺産分割協議書のサンプル
※画面をクリックすると拡大表示されます。
■用紙
紙の大きさに制限はありません。
■署名・押印
相続人全員が遺産分割協議書に署名し、実印を押印してください。
遺産分割協議書が複数ページにわたるときは、相続人全員の実印で契印してください。
法務局では、少しの記入ミスでも訂正を求めますので、できれば捨印があった方がいいでしょう。
捨印を押すのを嫌がる相続人がいるときは、チェックして間違いがないことを確認しましょう。
署名の後ろに捺印する実印は、鮮明に押印する必要があります。
納得いかないまま遺産分割協議書に押印してしまった場合
遺産分割協議書は相続人全員が、1人ずつ署名、実印を押すことで成立します。
通常、遺産分割協議書に署名・押印をする場合は、その遺産分割の内容に納得した上で、行うことになりますが、「署名を求められたので、慌てて署名してしまった」「急いで押印が欲しいと言われたので押印してしまった」など、自分が納得しないまま、遺産分割を進めてしまう方もいらっしゃいます。
しかし、遺産分割協議書に実印を押し、署名をしてしまった場合、それを取り消すことは、非常に困難です。
特に、その遺産分割協議書を使って、不動産の名義変更(相続登記)などを実施してしまった後で取り消すことは特に困難を極めます。
しかし、遺産分割協議書が無効・解除・取り消しになる場合もあるため、その具体例を下記で、ご説明させていただきます。
○遺産分割協議が、相続人の一部のみで行われていた場合
○遺産分割協議をやり直すことに、相続人全員が同意した場合
○遺産分割協議の場で、遺産の一部が隠されていた場合
○遺産分割協議後に、新たな相続人が現れた場合
○遺産分割協議後に、遺産が発生した場合
○遺贈がなされていた場合
そのため、遺産分割協議書に署名・押印をする前に、不安なことや疑問があるのであれば、まず初めに、専門家に相談することをお勧めいたします。
■財産の表示
不動産の場合、住所ではなく登記簿どおりの表記にしてください。銀行等は、支店名・口座番号まで書いてください。
■日付
遺産分割協議書の相続人が署名、押印した日付は、遺産分割の協議をした日か、あるいは最後に署名した人が署名した日付を記入するようにしましょう。
■相続人の住所・氏名
必ず、相続人本人に署名してもらいましょう。
住所、氏名は、印鑑証明書に記載されているとおりに記載します。
■印鑑証明書の添付
押印した実印の印鑑証明書を添付します。
遺産分割協議書は、作り方を間違えると効力が生じなくなってしまうことがありますので、作成される際は専門家にご相談することをお勧めします。
遺産分割協議書の作成時の注意点
遺産分割協議書の作成をする際に、下記について特に注意が必要です。
①代償分割をする場合、「第●項の遺産取得の代償として、金〇〇万円を支払う。」と記載
②相続人の中に未成年者や障がい者など、意思能力がない人が相続人にいる場合、相続人の氏名の後ろに法定代理人であることを明記し、親権者や後見人等の法定代理人が署名し実印で捺印
③不動産について記載する場合は登記簿謄本をそのまま写して記載
④預貯金、株式については口座番号まで特定できるように記載
⑤必ず、遺産分割協議書には自筆のサインと実印の押印をすること
加えて、遺産分割協議の注意点もまとめておりますので、あわせてご確認ください。
上記について、よくわからない、詳しく話を聞きたい方は、遺産分割案や遺産分割協議書をお持ちになって、当事務所の専門家にご相談下さいませ。
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当事務所が相続で選ばれる理由
この記事を担当した専門家
司法書士法人C-first
代表社員
山内 浩
- 保有資格
代表社員司法書士 家族信託専門士
- 専門分野
家族信託 相続 遺言 生前対策
- 経歴
司法書士法人C-firstの代表を務める。平成6年4月に貝塚市にて開業、平成25年4月には合併を経て事務所名をC-firstに改名。高齢者の生前対策について新しい財産管理承継ツールである家族信託などを活用して、高齢者の生前対策に最適なプランを提供する。